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2016年7月27日 (水)

映画「スポットライト 世紀のスクープ」

2016/07/22
Dsc_0316
猫との暮らしが始まってからの約一か月は、映画を見に行く気持ちの余裕がなく、
その頃「見てみたいけどなあ」と思っていた映画が、沿線の映画館(頑張れば自転車でも行けるところ?)で上映されていることを知り、ギリギリで見に行ってきました。

アカデミー賞の作品賞・脚本賞を受賞。
となると、やっぱり見たい。元はといえば、この手のジャンルは好きな方だしup
監督・脚本 トム・マッカーシー  (撮影監督さんは高柳正信さん)
出演:マイク・レゼンデス:マーク・ラファロ
   ウォルター・ロビー(ロビンソン):マイケル・キートン
   サーシャ・ファイファー:レイチェル・マクアダムス
   マーティ・バロン:リーヴ・シュレイバー
   ベン・ブラッドリーJr: ジョン・スラッテリー
   ミッチェル・ガラベディアン:スタンリー・トウッチ

あらすじ

2001年夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任した。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会に報道のメスを入れる。教会の権威にひるまず、ある神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出すのだった。
その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄“スポットライト”を手掛ける4人の記者たち。デスクのウォルター”ロビー”ロビンソンをリーダーとするチーム“スポットライト”は、事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ねる。
やがて大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑に辿り着く。しかし、ボストン・グローブ紙の定期購読者の53%がカトリック信者であることや、教会の強硬な反撃が彼らの報道の前に立ちはだかる。

「これを記事にしたら誰が責任を取るんだ?」

「では記事にしない場合の責任は?」

9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チーム“スポットライト”は「間違っていることは間違っている”と報じたい、正しいことは正しいと表明できる社会でありたい」という報道の正義のため、そして今も犠牲になっている子供たちのため、一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった……

P1020276ロードショーの時のチラシと購入したパンフレット。チラシは2種類あり、ゴールデングローブ賞のノミネート時とアカデミー賞受賞後のもの。

2015年のアカデミー賞は、作品賞と脚本賞のダブル受賞。それに加えて、NY批評家協会賞の男優賞(マイケル・キートンが受賞)、LA批評家協会賞の作品賞と脚本賞も受賞していました。(賞レース席巻)

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜
以下、ネタバレあり。

ロードショー中に、テレビやラジオ番組で取り上げられていたため、内容は知っていて、カトリック教会の神父たちが長年に渡って犯してきたスキャンダル、を見るのは
楽しくないなあ、とは思っていたが、脚本賞も受賞しただけのことはあって、文字通り「鬼畜」と言える神父たちは映像としては登場せず、被害者に語らせたり、新聞社で話題にしたりする形をとっていて、好感が持てました。
聖職者、という職業に就いているにもかかわらず、手口は大変悪質。
今回、ボストン・グローブ紙の記者たちが、巨大権力の「大罪」を暴くきっかけとなった「ゲーガン事件」のゲーガン神父(130人の子供をレイプした常習犯)、「標的は同じタイプの子ども。貧困・父親不在・家庭崩壊。好みの子どもを選ぶことより、羞恥心が強く、寡黙な子を標的にした」のだそうです。おぞましい!。

被害者の取材をしている時に、記者が耳にした言葉が象徴的です。
「彼は、まだいい方だ。なぜなら、今、こうして生きているんだから」
性的虐待を受けて生きている被害者を「生存者」という言葉で言い表すところ、
初めは乗り気でなかったチームのメンバー(敬虔なカトリック信者の祖母と同居・ボストングローブ紙の購読者の53%がカトリック信者だという現実等々で)にも、スイッチが入ります。
生存者=物心つく前に虐待を受けて、気がつけばトラウマに苦しみ、神聖な教会や神父を告発出来ないまま自殺してしまう人が大勢いた、ということです。

映画の冒頭、「事実を元にした作品です(This movie is based on a true story.)

」というテロップが出ます。(最近この手の作品がとても多い気がする)。
治外法権の「教会」を告発する、新聞記者のドキュメンタリー、に加え取材チームのそれぞれが抱える問題(夫婦のこと、家族の事情、近所の危険人物の存在等)や、新聞社の企業としての問題、がサイドストーリーになって、効いてます。

紅一点、のサーシャ役、レイチェル・マクアダムスの知的美人さんぶり、良かったです。彼女(サーシャ)の被害者への眼差し、傾聴して取材している様子。賢そうな顔で苦悩する姿が印象的。

そして、この映画の象徴的なセリフ「では、記事にしない場合の責任は?」を言った主役のマイクはポーランド移民の2世で元タクシー運転手。
虐待被害者の弁護士ミッチェルは、アルメニア人。
そもそも、この企画を打ち出した、新任の編集局長マーティ・バロンは、
「よそ者」「非社交的」「独身」「野球嫌い」「ユダヤ教徒」というまさに星5つ、という感じで、彼だからこそ、「何世紀も存在する教会、の「隠蔽システム」を暴け」たのだと思います。

折しも、ロシアのドーピング事件で、来月開催のリオのオリンピック参加問題が毎日報道されていて、まさにこれって「巨大な権力や権威に守られた組織が腐敗する」というお手本のような出来事。ドーピングで告発されたアスリートたちも、妨げられて声を上げられない犠牲者なのだと思います。

スクープを掲載した翌朝、新聞社の電話は鳴りっぱなし。これがラストシーンですが、この共感、反響の大きさに鳥肌が立つ思いで映画はエンドロール。

しかし、そこで目がもっと開いてしまったのは、ファクト・シート(概況報告)があり、「スポットライト」報道後に神父による児童への性的虐待が判明した「全米の都市と州名」並びに「それ以外の国と地域名」
が、半端なく多くてビックリ。アメリカ国内で、105の都市。それ以外では102の教区。(エンドロールでは数え切れない
sweat01ええ〜って感じ)


これは、大変、と上映後にパンフレットを買いました。

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