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2016年10月22日 (土)

舞台「るつぼ」(シアターコクーン)

2016/10/20
P1020473

原作:アーサー・ミラー
演出:ジョナサン・マンビィ
出演: 堤真一、松雪泰子、黒木華、溝端淳平、秋本奈緒美、大鷹明良、
    玉置孝
匡、富岡弘、藤田宗久、石田登星、赤司まり子、清水圭吾
    西山完了、青山達三、立石凉子、小野武彦、岸井ゆきの、皆本麻帆
    富山えり子、川嶋由莉、穴田有里、中根百合香、万里紗、大内唯、
    原梓、Reina

アーサー・ミラーが書いた同タイトルの作品が原作。
メイフラワー号が北米大陸に渡った(いわゆるピルグリムファーザーズ:1620年)時より約70年後の1692年3月。ボストン近郊のセイラムという村で起きた「魔女裁判事件」を題材にしたもの。

あらすじ☆(公式ホームページより)
17世紀、マサチューセッツ州セイラム。ある晩、戒律で禁じられていた魔術的な「踊り」を踊る少女たちが森の中で目撃される。その中の一人は原因不明の昏睡状態に。これは魔法の力か?悪魔の呪いか?セイラムを不穏な噂が駆け巡るが、少女アビゲイル(黒木華)は「ただ踊っていただけ」と主張する。彼女の真の目的は農夫プロクター(堤真一)の妻エリザベス(松雪泰子)を呪い殺す事にあった。雇い人だったアビゲイルと一夜の過ちを犯したプロクターは罪の意識に苛まれ、以後、彼女を拒絶していたのだ。プロクターに執着するアビゲイルは、敬虔なエリザベスを《魔女》として告発。アビゲイルに煽られ、周囲の少女たちも悪魔に取り憑かれたように次々と《魔女》を告発していく。大人たちの欲と思惑もからみ合い、魔女裁判は告発合戦のごとく異様な様相を呈していった。悪魔祓いのためセイラムに呼ばれた牧師ヘイル(溝端淳平)は、自身が信じる正義のありかが揺らぎはじめ…。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
仲良し3人で観に行きました。

観終わった時(途中休憩時も)の共通の感想『役者さん、皆、上手だねー』
キリスト教への理解&知識が足りないせいか、内容(ストーリーと結末)は充分に気持ち悪く、息苦しいものなのだけど、滑舌の良い役者さんが主演の4人と脇役、(つまり全員です、ゆえに、ブログの上記出演欄には敬意を表して全員の名前入れましたhappy01 )それがとても気持ちよい観劇となりました。(溝端淳平くんの上手さにちょっと驚き。この人って舞台向き役者さんかも)
happy01
開演時間になったなあ、と思ったら暗い舞台(と客席)全体に雷の大音響が響き渡って「一気に」始まりました。本物の火を使って、アビゲイル(黒木華)率いる少女たちが呪詛の儀式(ダンス)をする場面。引き込まれました。このように、一気に始まるのって、異国の話の場合、良いと思う。(エリザベートを思い出す)
lovely
このおどろおどろしい場面から登場するアビゲイルと仲間の少女たち。
原作において、最初に魔女として疑義をかけられる黒人奴隷のテュテュバ役には、Reinaを起用して、台詞回しも外国人が日本語を(割と上手に)話している、にし、また、やはり原作に登場する「やや太った少女」」というのも、結構太めの役者さんを起用していました。(パンフレット買わなかったので誰が誰の役だか未だ不明)
そして、アビゲイル役の黒木華。やや暗めの赤い衣装、禁断の恋に火がついて、もう燃えちゃってる、若さゆえの暴走感を秘めた少女役(妖気と狂気がチラチラ見えます)が上手い。今まで、ややハッチャケた役(映画の「舟を編む」やテレビドラマの「まほろ駅前シリーズ」)も見てきましたが、今回も、なかなかのはまり役だと感じました。顔は、あのまま(昭和の顔っていう評判)やや大人しげで、心の中に「嫉妬に駆られた計算高さと恐ろしさ」を秘めている方が、ずっと怖い。一旦、窮地に立たされますが、それを回避出来た時の魔性っぽい目つき、とそこでパワーアップして一段と恐ろしい魔物となっていく様子が圧巻でした。(正体がバレた時の迫真の演技、役者さんってすごいsign03

原作のアーサー・ミラーは、「社会と個人の接点からドラマを構築する」タイプで故に社会の矛盾を風刺する作家だそうです。この「るつぼ」は2001年9.11同時多発テロの後、アメリカ国内の動き(イラク戦争へ向かって進んでいた)を批判して再演されて話題となったそうですが、確かに「無実の罪」や「権威の過ち」について考えさせられました。正しい主張(この場合魔女の存在を否定する)がどこまでも受け入れられない現状、や、地位の高い男たち(劇中の副総督や判事)が、集団ヒステリーの少女たちの言い分をあっさり信頼する、などまあイライラさせられますが、目線を変えると、今の日本の有様にもイライラ(息苦しさを感じたり)すること実はある。これでいいのか日本?(東京に限って言えば、豊洲市場やオリンピックの問題等々)人間の本質は、17世紀のアメリカと今の日本人でも同じ??

作家の松井今朝子さんのブログ(10/7分)にもありましたが、今の時代に意味のある舞台演劇かもしれません。


さて、ここからが私の解らない点。(キリスト教の理解不足?)
堤真一扮する農夫のプロクターは、教会にあまり姿を現さず、姦淫の罪さえ犯し、一度は自らの「生きたい」という欲望のために偽りの告白書に署名をする男です。

たとえ自分が命を犠牲にしても、もうそれは犬死に過ぎない、と判っていたと思うのです。「だったら生き抜いてやる」」と一時は思ったのでしょうか?ヘイル神父(溝端淳平)も「名誉や信仰心よりも命を取れ」などと、調査の段階ではプロクターを敵視していたのにこの発言(神父さん、それ言っていいんですか?)。

一方で、妻のエリザベス(松雪泰子)は、薄いブルーの衣装(アビゲイルと対照的)で囚われの身となって、やつれながらも美しく、夫と面会してこう言います(結構何度も)
「私にあなたを裁くことは出来ない」「あなたの好きなようにして」
これ、手紙等の文面で受け取ったら、文章から愛情を感じてプロクターは、生きる道を選んだかもしれない、と言うのは、彼女の表情や言い方が、なんと言うか「敬虔なキリスト教信者の私には、信仰心の薄い貴方を許せません」と言っているようにも聞こえるのでした。人情味が感じられない(彼女の精神力もギリギリだったとは思います)。

自分の死が、何の価値をも持たないことを承知の上で、自分自身であることを守るために?、死を選択した主人公。
ということになるのかな。堤真一さんの疲れ切ったやつれた表情が、印象的でした。この人何でもこなせる凄い役者さん。再来年の大河ドラマの主役(西郷隆盛)楽しみです。


P1020472 P1020471
ブレンドコーヒー(目の前にてドリップいい香りcafe)とピスタチオのパウンドケーキ
P1020470
舞台の前にお茶したお店での写真(吉祥寺ローズベーカリーにて)

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観劇(歌舞伎以外)」カテゴリの記事

コメント

私も、こんなにすごい舞台なのに、こんなに二度と見たくないほど息苦しくなる芝居は久しぶりでした。
全ては「神」が前提なのですね。

かちゃまたさんの疑問に正解できる自信はないのですが、プログラム購入したので読み込んでみました。
まず、この作品の登場人物はみな、生まれた時から毎日唱えさせられた「十戒」が体に染みついています。

「汝、偽りの証を立つるなかれ」「汝、姦淫することなかれ」

プロクターは告白を承諾するも、サインすることだけはなんとしても拒み続けます。最後はこの教えが頭をよぎったのかもしれません。堤さんは、「彼は、嘘をつかない『善きもの』であることを貫いたわけではなく、嫉妬心や見栄といった人間誰しも持つ弱さにがんじがらめになり、そんな自分から解放されるためにあの決断をした」と解釈していました。最期の表情は、なんだか清々しかったですねthink

「汝、我のほか何者をも神とすべからず」

エリザベスは、自分が夫の過ちを引き出した張本人だという自覚を持っています。自分に誠実であろうとしすぎるために、自分で物事を決められない夫を追い詰めます。プロクターにしてみれば嘘でもいいから自分を楽にすることを言ってほしいけれどエリザベスがそれをしないのは、「それを言ってしまえば自分が神になってしまうから」というのが、松雪さんの解釈です。

「汝、殺すなかれ」

ヘイル牧師は最初と最後で言っていることが真逆ですよねcoldsweats02彼はセイラムに呼ばれてきたときには、かなり意気込んで自信満々でしたが、溝端くんによればヘイル牧師は自分が信じてきた正義や信念が『真実を見る目』の邪魔をするタイプの人のようです。あまりの凄絶な状況に「命こそは、神がくださるかけがえのない贈り物である」という究極の真実に目覚めていったのではないでしょうかね。

判事たちもそのことにはうすうす気づいていながら、かちゃまたさんもお書きになっていた「権威の過ち」にがんじがらめにされていたんでしょうね。法廷や教会や自分たちの名誉を守るためにしては、あまりに犠牲が大きすぎましたね。

「汝、安息日を守ること」
「汝、隣人の家をむさぼってはならないこと」などもストーリーの中に盛り込まれていましたね。

セイラムの混乱を教訓に、政治家のみなさんにも心して状況を見極めてほしいですよね~cloud

pippi様

コメント、ありがとうございます!!。プログラムを熟読して書き込んでいただけたなんて感激です。わかりやすく書いてくださり、うなずきながら読みました。(もっと続きが読みたくなるほど)。
実は、帰宅してから、ああ。プログラムやっぱり買えば良かったなあ、などと後悔していたので、心から感謝です。
「このブログは、私の疑問を「プログラム」読み込んで調べてくださった方のコメント付きです。是非合わせてお読みくださいませ」
って追記しちゃおうかしら、などとまで思ってしまいました。(長文なので、気づく人は皆さん読んでくれそうな気がします。読んでね!!!happy01
この「るつぼ」、数年前に新国立劇場で、アビゲイルを鈴木杏、プロクターを池内博之、で上演されていたそうですね。今にして思うと、こちらも見てみたくなりました。怖いけど…。

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